時代変化の中でこそ必要な行政サービス—地域連絡所継続の意義
連絡所が担ってきた役割と、今、守るべきもの
第4回定例会において気になった一般質問を紹介しています。
本市は、区役所から遠隔地に位置する住民や、利便性を重視する地域のために、長きにわたり連絡所を設置し、身近な場所での証明書発行サービスを提供してきました。これは、地域住民の生活を支えるための基本的なインフラであり、行政の「誰も取り残さない」という理念を体現してきた歴史があります。

現在、行政証明書発行件数が減少している事実はありますが、それはあくまで総論です。長作や椎名など、発行件数が少ない連絡所も、地域によっては唯一の行政窓口として、存在自体が安心感につながっています。
🚨 マイナンバーカード利用拡大が抱える問題点(日本共産党の見解)
証明書発行の減少の一因として、マイナンバーカードによるコンビニ交付の利用増が挙げられています。しかし、日本共産党は、マイナンバーカードの強制的な普及拡大路線に強く反対します。個人情報の一元管理による情報漏洩リスクや、利用が困難な方への事実上の行政サービスの切り捨てにつながる懸念があるからです。
- デジタルデバイドの深刻化: マイナンバーカードを持たない方、オンライン申請に不慣れな高齢者、障害を持つ方々など、デジタル化の波に乗れない人々が、行政サービスから事実上排除されてしまう状況を危惧します。
- コンビニ交付の限界: コンビニ交付は便利である一方、システムトラブルやカード忘れ、操作ミスなど、トラブル時には対面での専門的なサポートが受けられません。連絡所は、そのような「困った時」に頼れる対面窓口としての役割を堅持しています。
私は、利便性向上を名目に行政コスト効率化を進め、住民の安心と安全を犠牲にすることは断じて容認できません。
📊 コスト論では測れない福祉的役割の重要性
連絡所の運営コストが1件あたり約3,100円、コンビニ交付が約200円という数字は、単なる「効率」だけを追い求める資本主義的な発想です。行政サービスは、企業の営利活動ではありません。
本市も認めている通り、連絡所は「オンライン申請が難しい方や、マイナンバーカードを持たない方が利用可能な場」として継続されており、これはまさしくデジタルデバイドに対応するための福祉的な役割を担っています。
- 証明書の種類による利用者の傾向: 連絡所で発行される証明書が印鑑証明や住民票の写しに偏っていることは、必ずしも「高齢者が少ない」という結論には繋がりません。高齢者や福祉的配慮が必要な方こそ、人生の重要な局面(不動産、相続、福祉サービス契約など)で、職員との対面による確実な確認と発行を求めているのです。
連絡所にかかる年間5,500万円の予算は、単なる証明書発行の経費ではなく、「誰も行政サービスから取り残さない」ための社会保障コストとして捉えるべきです。特に、長作・椎名連絡所のような、1件あたり8,000円〜9,000円という高コストがかかっている場所こそ、そこに住む住民にとっての行政アクセス保障費用であり、効率化の犠牲にしてはならないと私は考えます。
💡 今後の行政サービスに対する私の提言
本市が「これからあり方を検討する必要がある」としている姿勢は、これまでの行政サービスが時代遅れだったと自ら認めていることに等しく、遅きに失した感は否めません。しかし、この議論を単なる「廃止ありき」のコスト削減に繋げてはなりません。
私は、連絡所が担ってきた「誰も取り残さない」という哲学を将来にわたって維持するため、以下の施策を強く求めます。
- 連絡所の維持と多機能化: 連絡所を廃止するのではなく、証明書発行機能に加え、高齢者や子育て世帯向けの地域相談窓口機能を強化し、地域コミュニティの拠点としての価値を高める多機能化を進めるべきです。
- デジタル・アナログ共存の徹底: マイナンバーカードの有無や、デジタル技術の習熟度によって、行政サービスの質に格差が生じることがないよう、「対面」「電話」「デジタル」の選択肢を確保する行政運営を徹底すべきです。
- 住民合意形成の優先: 連絡所のあり方検討においては、地域住民の意見を最優先し、利便性確保に対する具体的な担保策が講じられない限り、一方的な廃止や統合は行わないよう、私は強く主張します。
行政は、最も弱い立場にある市民を守り、すべての市民が安心して生活できる環境を提供することが責務です。私は、この重要な役割を担う連絡所の継続を強く支持します。