犬猫多頭飼育崩壊の現状と防止に向けた提言
はじめに:深刻化する多頭飼育崩壊の現状
5日の他会派の議員の一般質問で気になった点を報告します。
高齢化の進展に伴い、本市における犬猫の多頭飼育崩壊事案が年々増加し、重大な課題となっています。昨年度、動物保護指導センターが対応した事案は2件で保護頭数は33頭でしたが、今年度は既に(先月末時点で)2件82頭に対応しており、さらに4件が対応中という深刻な状況が、保健福祉局長の答弁で明らかになりました。
現場の課題と当局の対応
局長からは、保護した犬猫はボランティアの皆様や協定を締結しているイオンペット株式会社の協力を得て新たな飼い主への譲渡を進めているものの、現状で犬6頭、猫20頭がセンターで管理されていることが報告されました。
これに対し、崩壊事案が発生した場合、センターだけでは対応が困難であり、ボランティアの方々が現地で猫の保護、治療、不妊去勢手術に奔走し、質問議員の事務所が「野戦病院」のような状況となるなど、多大な負担を強いられている現場の実態が明らかになりました。この事例は、多頭飼育崩壊が「どこでも起こりうる」問題であり、事案発生後の対応ではなく、日頃からの予防と早期介入の徹底こそが重要であることを示しています。
飼育崩壊防止に向けた取り組み状況
当局は、飼い主や家族からの相談、近隣住民や福祉部門からの通報に基づき、指導助言を行う他、必要に応じて動物愛護推進員や市獣医師会の協力も得て改善支援を行っていると報告しました。また、飼い主の生活支援が必要な場合は福祉部門と連携し、安心ケアセンターや民生委員に多頭飼育予防のチェックリストを周知するなど、連携強化に取り組んでいるとのことです。
【私の所感】 これらの取り組みは重要ですが、リスクの「早期発見」のためには、福祉部門だけでなく、地域コミュニティ全体の意識とアンテナの向上が不可欠です。不妊去勢手術を受けていない猫を飼育している場合や、地域で野良猫が複数いるだけでも、あっという間に数十匹に増えるリスクが存在します。単身高齢者による餌やりが崩壊の引き金となるケースも多く、こうした「多頭飼育崩壊予備軍」のリスクを市民の方々に知ってもらい、早期発見に繋がるような、より踏み込んだ啓発活動の強化が必要です。
日本共産党の見解
日本共産党は、多頭飼育崩壊を動物虐待・環境問題としてだけでなく、飼い主の社会的孤立や生活困窮といった福祉的な問題と捉えています。公的責任として、動物行政と地域福祉が垣根なく情報共有し、連携を恒常化することで、崩壊に至る前の段階で介入できる公的支援体制の強化を主張します。動物愛護の観点から厳格な指導を行う一方、飼い主へのきめ細やかな福祉的サポートを両立させ、崩壊を未然に防ぎ、再発防止まで責任を持つ体制の確立が急務であると考えます。
結び
今後も、本市における動物愛護の推進と、福祉・地域コミュニティとの多角的な連携強化を通して、「人と動物が共生できる街づくり」を強く推し進めてまいります。