介護現場の「質」と「効率」の両立を目指して

介護現場の「質」と「効率」の両立を目指して

福岡県介護DX支援センター視察報告

現在、千葉市においても介護人材の不足と高齢化の加速が深刻な課題となっており、職員の長時間労働や事業所の撤退リスクが増しています。

【福岡県介護DX支援センターの役割と成果】

福岡県介護DX支援センターは、介護事業所が抱える様々な課題に対し、介護ロボットやICT機器の導入検討から、導入後の業務フロー見直しに至るまでを、一貫して支援する「ワンストップ・伴走型支援」を担っています。

特に注目すべきは、機器のデモンストレーションや試用貸出といったハード面だけでなく、専門アドバイザーが現場に入り込み、記録、情報共有、請求などの間接業務に潜む非効率を具体的に抽出・改善する「伴走支援」の有効性です。この支援により、多くの事業所で、介護記録の入力時間が大幅に短縮され、職員の身体的・精神的負担が大きく軽減されるという具体的な成果が確認されました。

効率化によって生み出された時間は、利用者との丁寧な対話や質の高い直接ケアに充てられ、結果として職員の「働きがい」と利用者の「満足度」の向上に繋がるという好循環が生まれています。補助金制度とセンターの支援が連携することで、導入の初期障壁を低く抑えている点も、当市が参考にすべきモデルです。

【私の見解とDX推進のあり方】

科学技術の活用による介護現場の専門性向上や、職員の負担軽減自体は強く推進すべきと考えます。しかし、政府が言う「生産性向上」を口実として、介護サービスの「配置基準の緩和」や「介護報酬の削減」に繋げる方向性には断固として反対します。

介護の本質は「人によるケア」であり、テクノロジーはあくまでその補助ツールです。DX化で得られた効率化の果実は、介護職員の賃金改善、正規職員の増員、そして利用者へのサービス拡充(手厚いケア)に充てるべきです。命と尊厳に関わる介護の「質」を低下させる人員削減は絶対に許されません。

【千葉市の介護を守るために】

今回の視察を通じ、介護DXは単なる「業務効率化」ではなく、「介護の専門性を解放し、質の高いケアを追求する手段」であると確信しました。

私たちは、効率化で生み出された時間を「コスト削減」の原資とするのではなく、職員が人間らしい休息を取り、スキルアップのための研修を受け、利用者と向き合う時間を確保するための「人への投資」に振り向けるべきです。これにより、介護現場が「きつい、汚い、危険」というイメージから脱却し、「誇りをもって働ける専門職」の場へと変貌を遂げることができます。

今後、私はこの視察で得た知見をもとに、千葉市に対し、小規模な事業所や地域密着型サービスにも届く、きめ細やかな伴走型DX支援体制の早期構築を求めます。そして、介護現場のDX推進が、職員の雇用と待遇改善、そして市民の介護の「質」の向上に直結するよう、全力で取り組んでまいります。

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