【自治体学校・2日目】夢洲現地分科会で見たカジノ・万博の深刻な実態と地方自治の危機
みなさん、こんにちは。自治体学校2日目は、現地分科会A「これが夢洲カジノだ!」に参加しました。午前中は荒田功さんの司会のもと、『路上のラジオ』ライブとしてコーディネーターの西谷文和さん、ゲストの藤永のぶよさん(NGOおおさか市民ネットワーク代表)、桜田照雄さんによる熱いトークセッションが行われました。午後からはさきしまコスモタワー展望台へ移動し、眼下に広がる夢洲の全貌を見学したのち、実際にバスで夢洲の建設工事現場へと足を運び、その空気感を肌で注視してきました。そこで見えてきたカジノと万博をめぐる深刻な問題について報告します。

【カジノ問題】軟弱・汚染土壌に沈む「維新の夢」と市民へのツケ
夢洲の地に立ってまず痛感させられたのは、この人工島が抱える圧倒的な地盤のリスクです。そもそも大阪平野は、歴史的に淀川などが運んできた土砂が堆積してできた地域であり、地下30メートルまでは極めて軟弱な地盤が広がっています。

さらに、今回見学した夢洲の2区・3区は、海底から15メートルにわたって工場廃液などの有害物質を含む浚渫(しゅんせつ)土砂が6000万トンも投棄された「ゴミの埋立地」です。

水分を半分近く含んだドロドロの土壌からはフッ化物や総水銀、PCBといった危険物が検出されており、液状化や汚染水流出の懸念が絶えません。

このような劣悪な土地に巨大なカジノ施設(IR)を建設しようという計画自体が無謀と言わざるを得ません。事実、事業に参入していた大手ゼネコンが異常な形で突如撤退し、別の建設会社に交代するなどの混乱が起きています。

報告によれば、地下の軟弱地盤(N値3)に対して高層建造物を建てるには、岩盤に届く79メートル以上の杭打ちが必要とされ、今後どれほど費用が膨らむか予測もつきません。
さらに許せないのは、維新政権が当初約束していた「市税は一切使わない」という公約を一方的に破り、土地改良費として788億円もの巨額の市税を投入したことです。そのうち410億円がこの危険な地盤の改良に費やされています。

しかも、大阪市はカジノ用地を1平方メートルあたり月額わずか428円という格安の賃料で事業者に35年間固定で貸し出す契約を結んでおり、これが地方自治法違反にあたるとして現在6件もの住民訴訟が闘われています。

不動産鑑定の段階で「IRの価値を考慮外」にするという官製談合の疑いまで浮上しており、裁判の行方がカジノ撤回への大きな鍵を握っています。
コロナ禍以降、時代は世界的に「オンラインカジノ」へと移行しており、警察庁の調査でも国内で337万人もの若者が依存症や多重債務に苦しんでいる実態が明らかになっています。

警察がオンラインカジノの取り締まりを強化する一方で、自治体のトップがリアルカジノの誘致に奔走するという矛盾は極めて異常であり、住民の命と暮らしを守る地方自治の観点からも絶対に認められません。
【万博の問題】負の遺産が物語る「お祭り資本主義」の破綻と乱脈財政

続いて、万博がもたらした深刻な爪痕についてです。コスモタワー展望台からは、万博の「負の遺産」の象徴とも言える広大な大屋根(リング)や、物議を醸した2億円の豪華トイレなどが見えました。しかし、華やかな宣伝の裏側で、閉幕後の夢洲は目を覆いたくなるような惨状を呈しています。

その最たるものが、開催期間さえ持てばいいと軽量化に徹して建てられたパビリオン群の姿です。建設費に118億円もの巨額の費用を投じた「ヘルスケアパビリオン」をはじめ、解体現場を覗くと、めくった建材の内部は驚くほどボロボロになっていたとの事です。

地盤が極めて悪いために建物を軽くせざるを得ず、結果として耐久性のない粗悪な建造物を莫大な公金で乱立させた格好です。これらはすべて解体・撤去して原状回復することが契約上の義務となっていますが、曖昧な処理を許せば夢洲はさらなる産廃の山と化す危険性をはらんでいます。

財政面における乱脈ぶりも極めて深刻です。吉村知事らは「万博は黒字だった」と大宣伝を行っていますが、これは想定費用総額7630億円のうちの、運営費の一部(チケット代やグッズ売り上げなど)の収支を都合よく切り取った方便にすぎません。

実際の来場者構成を見ると、海外からの入場者はわずか5.2%にとどまり、全体の95%が日本人、その7割が関西圏からの動員という惨憺たる結果であり、国際博覧会としての本来の目的は完全に破綻しています。

さらに胸が痛むのは、開幕に間に合わせるために極寒のなか徹夜で工事を請け負った地元の中小事業者に対し、元請けや中抜き業者による工事費の未払い事件が多発していることです。

知事はこれを「民民の問題」として切り捨てていますが、行政が主導した事業の責任放棄にほかなりません。
また、会場アクセス用に導入された「万博バス」は、国産と謳いながら実際には中国製のEVバスであり、ブレーキやハンドルが効かないという致命的な欠陥が発覚して150台もの車両が大阪城駅横などに放置され、夏場の発火リスクから最近になってようやく解体へ運ばれる始末です。

これに府市で8億9千万円もの補助金が支出されており、税金の無駄遣いと利権の構造が浮き彫りになっています。
結びにかえて
今回の現地調査を通じて、大阪で強行されている「夢洲開発」と「副首都願望」の実態が、一部の資本や政治的野心のために住民の福祉や安全を切り捨てる維新独裁の政治そのものであることを確信しました。政令指定都市としての素晴らしい財政や福祉の権限を破壊し、カジノや万博の失敗のツケをすべて市民に回すやり方は許されません。この夢洲で起きている地方自治の破壊を我が事として捉え、住民自治を取り戻すために全国の仲間と連帯して闘い抜く決意を新たにした2日間でした。
