第68回自治体学校in大阪・1日目全体会報告|地域の平和と住民の暮らしを守る地方自治の希望へ

第68回自治体学校in大阪・1日目全体会報告|地域の平和と住民の暮らしを守る地方自治の希望へ

■ 開催概要:歴史ある大阪市中央公会堂に千葉市議団7人全員で参加

2026年7月11日、新緑が美しい大阪の中之島に位置する国指定重要文化財「大阪市中央公会堂」にて、第68回自治体学校in大阪が幕を開けました。「憲法が危ない、地方自治こそ未来の希望」をスローガンに掲げた今回の自治体学校に、私たち日本共産党千葉市議団は7人全員で揃って参加いたしました。会場には全国から熱意ある地方議員や自治体職員、住民運動の担い手たちが一堂に会し、場内は熱気に包まれていました。1日目となる全体会では、現在の緊迫する社会情勢のなかで自治体が果たすべき役割について、非常に示唆に富む2つの重要な講演と、全国の最前線で闘う仲間たちからのリレートークが行われました。歴史ある建築のなかで、地方自治の原点とこれからのあり方を深く学ぶ、極めて有意義な1日となりましたので、その詳細をここにご報告いたします。

■ 基調講演:中山徹氏「地方自治と地域 この1年から考える――平和、民主主義、市民生活を守るために自治体はどうあるべきか」

最初のプログラムとして、自治体問題研究所理事長であり奈良女子大学の中山徹氏による基調講演が行われました。中山氏は、自維連立政権による「戦争できる国づくり」の到達点と憲法蹂躙の現状について、詳細な表を用いて極めて深刻な告発を行われました。

2026年度予算で防衛関係費が9兆353億円に達し、前倒しで大軍拡が進むなか、熊本や富士駐屯地への長射程ミサイル配備や、民間空港・港湾の軍事利用(特定利用空港・港湾の指定)が進められています。

また、地方自治法の改正によって国の「指示権」が明記され、国と自治体が主従関係に置かれるなど、地方自治の本旨が根底から脅かされています。これに加え、人口減少地域での介護基準緩和による地方の介護崩壊の危機や、ケアプラン有料化、OTC類似薬の自己負担引き上げ(47.5%化)など、医療・福祉の削減が「国民皆保険の崩壊」へと繋がる危険性が鋭く指摘されました。

こうした国の暴走の背景にある新自由主義的な地方行革により、全国の自治体が「袋小路」の3類型にはまり込んでいると中山氏は分析します。福祉や教育を削ってタワーマンションなどの大型公共事業に走る「開発型」、明確な方針もなく施設統廃合を漫然と進めて悪循環から脱出できない「停滞型」、そして国の基地建設や原発再稼働の交付金に依存する「追随型」です

この深刻な状況を打破する希望として示されたのが、全国で相次ぐ自民党推薦市長候補の落選と、新たな自治体の誕生です。東京都清瀬市や練馬区、大阪府忠岡町などで共産党をはじめとする革新・市民勢力が推す新首長が誕生した選挙を分析し、中山氏は変革に共通する3つの教訓を提起されました。

第一に「争点は探すものではなく、市民運動によって作り出すもの」であること。第二に「隠さず広く声を聞く民主的な住民参加の理念と方法」を明確に打ち出すこと。そして第三に、具体的な変革のリーダーシップを示すことで「諦めていた有権者の投票率を引き上げる」ことです。

中山氏は、これらを実現し地方行革から脱出した先にある「立憲型自治体の第2段階」の政策として、自治体の権限を活用した【自治の精神・人にお金を使う・公共の回復・自治体の再生・市民参加の徹底】を提唱されました。特定利用空港・港湾の指定を拒否した沖縄県や、米軍訓練を中止させた与那国町の事例は、自治体が市民を守る砦になり得ることを証明しています。

また、伊賀市が窓口業務を民間委託から直営に戻した「公共の回復」、杉並区の区民参加型予算による「市民参加の徹底」、さらには岩手県や山形県のような中小企業への「独自の賃上げ支援」など、人にお金を使って地域経済を循環させることこそが、少子化や消費不況という地域の衰退を止める唯一の道であると力説されました。

「行政にとって最も重要なのは、地域の将来を真剣に考える『自治能力の高い市民』を作り出すこと」という中山氏の熱い提起は、私たち千葉市議団の今後の活動指針となる大きな確信となりました。

■ 記念講演:畠山澄子氏「世界とつながり、行動する:ピースボートの取り組みから」

続いて、ピースボート共同代表の畠山澄子氏による記念講演が行われました。畠山氏は、国際NGOピースボートが長年にわたり地球一周の船旅を通じて培ってきた、草の根の国際交流や平和外交の歩みを鮮やかに紹介されました。世界各地で紛争や対立が激化し、国内でも軍拡路線が加速する現代において、「戦争反対」の声を上げ続けることの重要性を多様な視点から熱く語られました。

特に本講演で印象的だったのは、SNSでの積極的な情報発信や、次世代を担う若者たちとのリアルな対話を通じ、政治や社会課題に対する「心理的距離」をどのように縮めていくかという実践的なお話です。畠山氏は、核兵器廃絶に向けた国際的な運動の潮流にも触れながら、一見すると大きな壁に見える国際社会の課題であっても、決して諦めずに対話を重ねること、そして一人ひとりの市民が日々の暮らしの中で希望をじんわりと広げていくアプローチが今こそ不可欠であると説かれました。

グローバルな視点で平和や人権を捉えることと、私たちが日々取り組んでいるローカルな地方自治の現場で住民の命と暮らしを守る運動は、完全に地続きでつながっています。国の暴走や軍拡の波が押し寄せる今だからこそ、最も身近な自治体である草の根の現場から平和と人権の波を広げていくアクションが必要であると、聴講した市議団一同、胸が熱くなる強い確信を得ました。

講演後には、大阪府忠岡町での巨大産廃焼却施設誘致を撤回させた住民運動の報告や、生活保護を担う福祉現場のリアルな告発など、3つのリレートークも行われ、全国の仲間との熱い連帯をさらに深めることができました。今回の全体会で得た豊かな学びと確信を力に、日々の千葉市政への具体的な提案や市民の皆さんの声に応える活動へと必ず活かしてまいります。後日、2日目の夢洲視察(カジノ誘致とギャンブル依存症問題)の内容も含めた詳細な全容レポートを改めてご報告いたしますので、ぜひご期待ください!

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