防災・減災対策調査特別委員会が開催――「都市型デジタル共助」と「子どもたちの防災力向上」を軸に、実効性ある地域防災の構築へ
7月6日、千葉市議会の「防災・減災対策調査特別委員会」が開催されました。今期の委員会の本格的なスタートにあたり、今回は委員各自が年間を通じて深めていくべき「年間調査項目」の提案を行い、今後の進め方について協議を行いました。
日本共産党千葉市議会議員団からは、昨年度から引き続き、私(野島友介)と佐々木議員の2名が本委員会の委員を務めております。私たちは、これまでの災害教訓や千葉市が抱える固有の地域課題を踏まえ、市民の命と暮らしを守るための具体的な2つの提案を最優先課題として掲げました。

◆ 課題①:オートロックやコミュニティの壁を越える「都市型デジタル共助システム」の構築(野島提案)
現在、千葉市の湾岸部や主要駅周辺を中心に、高層マンションや大規模団地の建設が進み、現役世代や共働き世帯が急増しています。その一方で、近隣コミュニティの希薄化が大きな課題となっています。 大災害が発生した際、住民同士が助け合う「共助」は不可欠です。しかし、従来の自治会を中心とした「巡回による安否確認」や「黄色いハンカチの掲示」といった手法は、オートロックマンションのセキュリティ壁や、日中の不在によって、都市部では機能しにくいのが実情です。
一方で、現代社会においてスマートフォンやSNSは完全に生活インフラとして定着しています。他都市ではすでに、GPSやチャットボットを活用し、災害時に「近くで助けを求めている要配慮者や避難遅れの方」と「動ける地域のサポーター」を瞬時にマッチングする『デジタル共助』の試みが始まっています。 行政からの情報発信(デジタル化)にとどまらず、住民同士がデジタル技術を介して繋がり、命を救い合う仕組みづくりについて、本市でも一刻も早く検証・導入を進めるべきだと提案いたしました。
◆ 課題②:未来の担い手を育てる「義務教育課程における防災意識・防災力の向上」(佐々木議員提案)
地域の防災力を維持する上で、現在深刻な問題となっているのが、自主防災組織や避難所運営委員会の「高齢化」と「なり手不足」です。この課題を解決するためには、次世代を担う子どもたちの防災力を学校教育の中で育むアプローチが不可欠です。
先進事例として、広島県では「自ら情報発信し、家庭や地域の繋がりを深めていける子どもたち」の育成を目指し、専門組織と連携した「キッズ防災士」の認定講座を実施しています。また、同県熊野町では豪雨災害の教訓から、中学生が主体となって避難所を設営・運営する「中学生による避難所づくり」の取り組みが行われており、高い成果を上げています。 このように、単なる防災訓練に留まらず、子どもたちが実践的な防災の担い手として成長できる環境を千葉市でも構築し、地域全体の防災力底上げに繋げていくための調査・研究を提案しました。
◆ 多様化する避難形態への対応と、避難所のデジタル化(DX)
今回の委員会では、他委員からも重要な提案がなされました。特に、災害時の避難先を「避難所一択」とするのではなく、自宅での「在宅避難」や「車中泊避難」など、多様なニーズに応じた『選べる避難先(分散避難体制)』の構築を求める意見が出されました。
さらに、大規模災害時における広域避難の実効性を高めるため、また複合リスク下における避難所運営の円滑化のために「避難所のデジタル化(DX)」を推進する提案もありました。これらは、私たちが提案したデジタル共助や学校防災とも深く連動するテーマです。
◆ おわりに
今回の委員会で出された各提案を精査し、今期の具体的な調査項目が絞り込まれていきます。 デジタル技術を命を守るためにどう活かすか、そして未来を担う子どもたちと共にいかに強靭な地域コミュニティをつくっていくか。元介護福祉士としての現場視点も活かし、誰も取り残さない、実効性のある千葉市の防災・減災対策を確立するために、全力を尽くしてまいります。皆さんのご意見や地域の課題も、ぜひお寄せください。