千葉市内の民間保育園で相次ぐ不適切保育――現場の重圧と「公立保育園の民間移管」がもたらす構造的歪みを問う

千葉市内の民間保育園で相次ぐ不適切保育――現場の重圧と「公立保育園の民間移管」がもたらす構造的歪みを問う

先日、千葉市若葉区の民間保育園において保育士による重大な不適切行為が発覚し、市民の間に大きな衝撃と不安が広がったばかりですが、これに続き、今度は中央区の民間保育園においても、園児を押し倒すなどの不適切保育が複数回にわたり行われていたことが報道により明らかになりました。

新聞報道、および市の発表によると、この中央区の保育園では、運営法人による調査や見守りカメラの映像確認の結果、保育士が4月10日〜24日にかけて園児3人に対し、上履きを履くよう伝える際に肩を払って転倒させたり、昼寝用の簡易ベッドに押し倒したり蹴ったりした不適切行為が認定されました。運営法人はこの保育士を4月30日付で解雇し、事態を重く見た千葉市は「運営法人に対して被害児童と保護者に対する誠意ある対応を求めていく。実施した職員への聞き取りを基に、改善事項を指摘する」としています。

何よりも重大なのは、不適切保育が確認されたこの中央区の園は、まさに「今年4月に、公立保育園を引き継ぐ形で民間へ移管し開園したばかり」の施設であるという点です。移管からわずか1ヶ月という極めて早い段階で、一人の人間としての尊厳を深く傷つける決して許されない事態が引き起こされたことに、強い憤りを禁じ得ません。被害に遭われた児童、そして深いショックを受けられている保護者の皆様の胸中を想うと、言葉もありません。心よりお見舞いを申し上げますとともに、当該児童と保護者の皆様への包括的なケア、プライバシーの厳守を市に対して強く求めてまいります。

市によると、指導対象にある市内の保育施設の中で不適切保育と認定された件数は、2023年度に11件、2024年度に17件、昨年度に13件と、年間十数件のペースで推移しています。市の担当者は、こうした行為が起きる要因として「保育者や組織の『子どもへの人権』に対する意識の欠如や、さまざまなプレッシャー、重圧」などを挙げています。

私たち日本共産党千葉市議団は、これまで一貫して「公立保育園の民間移管(民営化)」の方針に反対の立場を貫いてきました。それは、保育の現場に市場原理や効率化の波を持ち込むことが、結果として現場の質の低下や、労働環境の悪化による「心のゆとりの喪失」を引き起こす最大の要因になると確信しているからです。

今回の事案がまさに示しているように、公立から民間へと移行するプロセス、あるいは移管後の運営において、長年公立保育所で培われてきた高い保育水準や人員配置のゆとり、蓄積されたノウハウが十分に引き継がれず、現場の保育士へ過度な負担や重圧がシワ寄せされている実態があります。民間の運営法人において、人件費の抑制や過酷な労働シフト、それらに伴う人手不足が常態化すれば、保育士が精神的・肉体的な限界を迎えることは火を見るより明らかです。

保育士が過度な業務に追われ、組織全体が重圧に晒されたとき、現場から「子どもに寄り添う心のゆとり」が奪われてしまいます。保育士自身の権利や労働環境が脅かされている中で、子どもの権利を最優先にした質の高い保育を提供することは極めて困難です。相次ぐ不適切保育の背景には、効率化や民間委託を急ぐあまり、現場を疲弊させプレッシャーを生み出している現在の保育行政の構造的な歪みが深く関連していると厳しく指摘せざるを得ません。

再発防止に向けて記事の中では、「保育者が余裕を持って保育ができる職員配置が必要」との指摘もなされています。保育は「コスト削減」を追求する対象ではなく、子どもたちの命と未来を育む最優先の公共インフラです。自治体が責任を持つ公立保育園こそが、地域における保育の質の「防波堤」としての役割を果たさなければなりません。

私たち日本共産党は、今回の事案を重く受け止め、被害に遭われたご家族に寄り添いながら、以下の取り組みを千葉市に強く迫っていきます。

  1. 当該園をはじめとする民間移管園への厳正な指導監査の実施と、児童・保護者のプライバシー厳守・ケアの徹底
  2. 年間十数件に上る不適切行為を組織内で自浄・予防できるよう、保育者が余裕を持てる配置基準や労働環境の抜本的改善
  3. 現場の負担増と質の低下を招く「公立保育園の民間移管計画」の抜本的見直しとストップ

子どもたちがいつでも安心して笑っていられる、そして保育の専門家が誇りを持って働き続けられる千葉市へ。現場の声、保護者の声にどこまでも寄り添い、政治の責任をしっかりと果たしてまいります。

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