直営の「基幹型あんしんケアセンター」の必要性

直営の「基幹型あんしんケアセンター」の必要性

〜大野城市視察報告を基に、千葉市の地域包括ケア体制強化を提言〜

1. 視察の背景と大野城市の取り組み

現在、本市ではあんしんケアセンター(地域包括支援センター)の全業務を法人へ委託していますが、統括・総合調整・困難事例の後方支援を担う「基幹型」は未設置です。地域包括ケアシステムの深化に伴い、高齢者虐待や多問題事例の複雑化が進む中、全市的なサービスの均てん化と質の確保が急務となっています。

この課題を解決するモデルとして、直営の基幹型地域包括支援センターを市役所内に設置している福岡県大野城市を視察調査しました。

大野城市の基幹型は、直接の担当圏域を持たず、市全体を統括する専門的なバックアップ機関として機能しています。その主な役割は、①全市的な情報共有と業務調整、②困難事例(特に虐待・権利擁護)への専門的な同行支援、③委託職員のOJTを含む人材育成であり、行政の責任で高齢者福祉の根幹を支える体制を構築していました。これにより、委託型センターが個別の相談支援に集中できる環境が整い、市全体の対応能力が飛躍的に向上していることを確認しました。

2. 私の見解

高齢者福祉、特に命と権利に関わる支援は、行政の直接責任と公的責任のもとで行われるべきであると思います。

基幹型地域包括支援センターを市直営で設置することは、行政が地域の高齢者福祉に対する最終責任を明確にし、質の高いサービスを市民に平等に提供するための当然の責務であると考えます。委託任せでは、困難事例への対応や医療・介護連携といった行政全体の政策推進が遅滞するリスクがあります。大野城市の直営モデルは、行政がリーダーシップを発揮し、専門職の指導・育成を含む統括機能を持つことで、地域包括ケアの「中枢」としての役割を十全に果たしており、本市も直ちにこの方向へ転換すべきです。

3. 私の提言

今回の視察を通じて、直営の基幹型を設置することが、本市のあんしんケアセンター機能強化の鍵であると確信しました。

現在、本市のあんしんケアセンター職員は、複雑化する事例対応と行政との調整業務の板挟みになり、疲弊しています。直営の基幹型を設置し、市が持つ情報、権限、専門性を集約して後方支援を行うことで、現場はより迅速かつ質の高い支援を提供できるようになります。

特に、高齢者虐待や成年後見制度の利用促進といった権利擁護分野は、公権力と専門性が不可欠であり、行政直営による統括機能なくしては、地域間の格差是正も困難です。

本市に対し、まずは限定的な機能からでも直営の基幹型あんしんケアセンターを設置し、全市的な地域包括支援体制の再構築を強く求めます。市民一人ひとりが住み慣れた地域で安心して暮らし続けるため、行政の責任とリーダーシップを強化すべきです。

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