家族や周りの協力が必要
認知症の治療では、家族や周りの方々の理解と協力を得ることがとても重要です。
家族の関わり方は、その方の認知機能の改善に影響を与えます。介護者が症状や治療についてきちんと理解し、協力が得られれば効果はてきめんに上がります。
実は「認知症がどんな病気なのか」「何のための薬なのか」「何に気をつければ良いか」などを知ろうとしない家族も多いのです。自宅での様子や血圧を記録したノートがあれば治療にとても役に立ちます。
家族が出来る治療も多々あります。
しかしまずは家族はがんばり過ぎないこと。これが一番大事です。
介護者が疲れない工夫はとても大切です。「間違い探しではなく、いいところ探し」で明るく前向きに接する事が重要です。
次に生活リズムを整えることです。
生活リズムが乱れている方がたくさんいます。日中はなるべく身体を動かし、夜はしっかり眠る。「睡眠を整える」ことは脳の疲れをとり、脳細胞を修復する”解毒”のためにとても重要です。
食事の工夫をしつつ、楽しさを演出すること。
アルツハイマー型認知症では、重症化すると食べたこと自体を忘れてしまいます。このことを知っておき、楽しく食事を摂るように接してほしいです。前頭側頭型認知症でじゃ食事量のコントロールができず、特に甘いものをあるだけ食べてしまうこともあるので注意が必要です。脳血管性認知症ではむせ込みが起きることが多く、誤嚥性肺炎に注意してください。
最後はやはり優しく見守ること。これにつきます。
これはすべての病状において一番大切なことです。笑顔や楽しい雰囲気が患者さんを安心させ、穏やかにします。
認知症と診断されても、病院での治療がすべてではありません。大切なことは家族の理解と協力です。しかし、一人で抱え込まずに相談する事も忘れないでください。